リングをはめるシニア

熟年離婚が増えてきたのと同時に、熟年再婚も増えてきています。

シニア世代が離婚した後に再婚し、もう一度幸せを掴むのは素晴らしいことだと思います。

しかし、シニア世代の再婚ならではのトラブルや注意点もあります。

たとえば子供がいる場合は、子どもの理解を得ることや相続の問題にまず直面します。

子どもがいない場合は、再婚相手との老々介護の問題なども起こるかもしれません。

今回は、子連れの場合子なしの場合に分けて、熟年再婚で気をつけるべきポイントをまとめました。

熟年再婚の事情は、子供の有無で大きく異なる

親子

シニアが再婚した時に注意すべき点は、子どもがいるかどうかによって変わってきます。

子ありの場合、熟年離婚だと子どもが成人している場合が多いかと思います。

子どもが成人していれば親権の話し合いが不要なので(親権が発生するのは20歳未満の子供のみです)、再婚そのものはしやすいです。

しかしその代わり、子どもの心のケア相続トラブルがある可能性が高いです。

まずは、子連れ再婚の場合を見ていきます。

子供の心のケアの問題

親子の相談

子どもに再婚を考えていることを事前に打ち明けて、理解を得ている円満な家族もいます。

一方で、再婚について事後報告になってしまったり、再婚相手と子どもが不仲になってしまったというトラブルも散見されます。

実際に、親の再婚について良く思っていない子どもの声を調べると、再婚相手との相性が悪い場合や、前パートナーをないがしろにする親への嫌悪感などが多かったです。

■子どもと再婚相手がうまくいかない場合

・50歳にして「きゃっ間違えちゃった」と漫画のように舌を出す姿にドンビキしました。ふわふわしていて、いちいちいらっとします。

・再婚相手は「おかえりなさい」と笑顔で出迎えてくれます。しかし、私はその神経を疑うのです。何年も浮気したのちに、人の家庭を壊して、のこのこ家にあがりこんできて、私たち子供に普通に接してくる神経を。

父は母をとても悪くいいます。(再婚相手が)愛人だったことは私たちは知らないことになっているので強気なのでしょう。

・再婚するな、とは言いませんが…再婚が早すぎることと、事後報告であることが腑に落ちません。

親と子が別居している場合は、親も子も立派な大人なので「お互い大きく口出しをしなくてもいい」と考える人もいます。

しかし、再婚相手も含めて家族が同居する場合は、特に子どもに対しても誠意ある対応をすることが大切です。

子どもに話す際は、下記4点に気をつけるべきです。

■子どもに再婚の理解を得るポイント

  • なるべく早めに再婚の相談・報告をする
  • 再婚者が同席する場、同席しない場をどちらも設ける
  • 前パートナーのことを悪く言わない
  • 相続について事前に明確にしておく

再婚の報告は、なるべく早めにする方が結果的にはうまくいくケースが多いです。

熟年離婚から時間が経っている場合は、再婚を考えている人を早い段階で子どもに会わせて、少しずつ信頼関係を築けるのが理想的だと思います。

しかし、熟年離婚から時間が経たないうちに再婚をする場合は、子どもは「今まで不倫をしていたのでは」と、疑います。

なので、再婚者が同席しない親子だけの時間をしっかり取り、理解を得られるようにコミュニケーションを交わすことが大事です。

子どもにとっては、自分を何十年も育ててくれた前パートナーの方が思い入れが強いことが多いです。

決して、その気持ちをないがしろにしてはいけません。

さらに、親の再婚によって相続の取り分が少なくなることを子どもが理解している場合も多いので、なおさら再婚への反発が強まりやすいです。

前パートナーと家庭内別居や別居状態だったとしても、子供から再婚の理解・了承を得るために誠意ある言動を心掛けるべきです。

次に、子どもへの相続についてです。

子どもの相続の問題

車と家

子連れで再婚した場合、連れ子に相続権が認められないかもしれないという問題があります。

これは、法律上は再婚相手と子どもの間には親子関係がないからです。

世帯主(多くの場合は夫)が子連れの場合は問題ありません。

しかし最も多い女性が子連れ再婚をする場合は、相続トラブルに直面することが多いです。

この場合、子どもに相続権を与えるには遺言書を書くか、養子縁組を組むかのいずれかを行う必要があります。

遺言作成の注意点

遺言書を持つ男性

遺書を書く際は、あまりにも一部の家族に偏った内容にするとトラブルのもとになります。

たとえば、兄弟や姉妹以外(配偶者や実子など)の法定相続人には、最低限の相続できる割合が決まっています。

これを遺留分と呼びます。

遺言によって遺留分より少ない相続を指定した場合は、相続人が遺留分の請求をすることができます。

つまり、遺言どおりに相続されない可能性があります。

不安な場合は弁護士に相談することをおすすめします。

養子縁組には2種類ある

養子縁組届

再婚相手の子どもを養子にすることで、養子が実子と同等の立場になり相続権を得ることができます。

この養子縁組には、普通養子縁組特別養子縁組の2種類があります。

特別養子縁組は子供が6歳未満でないと適用できないので、熟年再婚の場合は普通養子縁組になるケースが多いです。

■普通養子縁組
実の親、つまり前パートナーとの親子関係は続けたまま、再婚相手と親子関係を結びます。実の親からも、新しい親からも遺産を相続できます。

■特別養子縁組
前パートナーとの親子関係を終了し、再婚相手と新しい親子関係を結びます。子供が6歳未満で、養親による養育が既に始まっている場合のみ適用できます。

気をつけるべき点は、前パートナーから養育費をもらっていた場合です。

養子縁組をすると、前パートナー(実親)から養育費をもらっていた場合は減額、もしくは養育費の支給が終わる場合があります。

特に、養親が子どもの養育をするのに十分な収入を持っている場合は、実親から養育費を請求するのは難しいです。

養親の収入では子育てが難しい(扶養義務が果たせない)場合に限っては、実親が養育費を払う義務が発生します。

まれに、「離婚相手に養育費を払ってほしいから、養子縁組はしない」ことを検討する人もいますが、あまりおすすめできません。

一つは、離婚相手の不満が大きくトラブルになりやすいからです。

もう一つ、もし再婚相手とも離婚したら再婚相手から養育費を請求できなくなるリスクがあることも大きな理由です(再婚相手と子どもの間に親子関係がないため)。

子なし再婚の場合は相続と老老介護に注意

子なしで再婚する場合は、子どもの養育費や相続について悩まなくていいですが、財産相続の問題はなくなるわけではありません。

さらに、再婚相手の親ももちろん高齢なので、新婚生活を楽しむ間もなく老々介護の日々になることも…。

子なし熟年夫婦の相続問題

高齢の両親

子どもがいない場合、パートナーの財産はすべて配偶者のものになると思っている人が多いです。

しかし、子どもがいない場合は、配偶者以外の親族にも相続権が発生します。

配分比率は家族構成によっても異なります。

(例1)再婚相手の親が健在の場合
親:自分=1:2で相続することになり、義理の親が3分の1を相続します。
(例2)親は他界し、再婚相手に兄弟・姉妹がいる場合
兄弟姉妹:自分=1:3で相続することになり、4分の1は彼らに相続することになります。

子なし夫婦の場合も、遺言書によって相続をしっかり定めておくことをおすすめします。

子なし夫婦の遺言書のポイント

遺言書を書く

子なし夫婦の相続には、親が健在かどうかによって大きく異なります。

結論から言うと、両親が亡くなっている場合は、遺言によって再婚相手が全て相続することもできます。

なぜなら、両親が既に亡くなっている場合、兄弟・姉妹は「最低●割は相続できる」という相続額の保証がない(=遺留分がありません)からです。

親が健在の場合は、最低3分の1は相続をする権利があります(=遺留分がある)。

熟年再婚だと親が既に他界している場合も多いと思うので、遺言によって相続を指定できる可能性が高いかと思います。

再婚相手を遺族との相続争いに巻き込まないためにも、しっかりと遺言を残しておくことをおすすめします。

老々介護の問題

老々介護

再婚相手の親が健在の場合、熟年再婚してすぐに老々介護が始まるというケースも増えてきています。

特に、お互いに子どもがいないと妻への介護負担が大きくなることが多いようです。

早くに結婚した場合と比べると、義理の親との関係性が築けていない状態で介護が始まるので、心理的な負担が大きくなりがちです。

そしてもちろん、心理的な負担だけでなく肉体的な負担もあります。

自分自身も加齢によって身体がうまく動かせなくなってきている中で、介護という重労働を行うのは大変です。

この老々介護のトラブルから、せっかく再婚してもまた離婚をしてしまうシニア夫婦もいます。

老々介護トラブルをなるべく防ぐために

熟年再婚をする際は、相手方の両親が健在かどうか(要介護状態なのかどうか)を確認した上で、介護の分担についてしっかり話し合うことをおすすめします。

また、ヘルパーへの依頼やデイサービスなどの高齢者施設の利用も検討できると、なお良いです。

妻に親の介護を任せっきり、という状態にならないようにしたいところです。

次は、熟年結婚のメリットとデメリットについての記事です。