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熟年結婚だけでなく、熟年離婚も増えてきて、「私も熟年離婚しようかな…」と悩む女性も目立つようになってきました。
しかし、実際に熟年離婚をした女性の声を見ると、後悔しているという意見もとても多かったです。
別れてから夫の良さに気付いたという人もいれば、思ったよりお金が足りないために「夫との生活を我慢しておけばよかった」と感じる人まで、後悔の理由はさまざまです。
今回は、熟年離婚のあとの生活で後悔しやすい問題(お金中心)と対策、熟年離婚のリスクについてまとめました。
目次
妻も働いていると離婚の満足度が高い
さまざまなネット上の口コミを調べると、熟年離婚をして良かったという声、後悔しているという声、どちらも多くありました。
特に家庭内別居の状態だった人や、夫の不倫に悩んでいた人は、離婚できて幸せという声も多いです。
傾向としては、女性にも収入があった場合は経済的な悩みが少なく済むので、満足度の高い離婚が成立しているようです。
■熟年離婚をしてよかったと言う女性の声
・30年以上も考えたあとでの離婚でしたので後悔はありません。
・もう家庭内離婚が10年を超える・・というような有様でしたので、離婚は万々歳です。
・熟年離婚も、新しいパートナーとの関係も、私自身に十分な経済力があったから踏み切れたと思います。
人によっては、夫婦生活がストレスになり心身に支障をきたしていたので、そのようなことになる前に離婚するのは良いと思います。
自分の心と体は何よりも大事です。
一方、経済的には苦しくなったものの、精神的な幸せを得ることができたという女性もいました。
■生活は苦しいが、後悔はしていない女性の声
・子供が自立していれば必要なのは自分一人が暮らす金額なのでそれほど多くなくてもやっていけます。
・フルタイムで働いてますが、生活費は全部私が出しているので金銭的余裕は無いです(娘には貯金させてますので・イザというような出費は頼りっぱなしです、苦笑)でも精神的な余裕は満々です。
・経済的には、苦しいです。でも 嫌な相手との我慢した生活。一緒に居ても生活は苦しい…娘達の後押しもあり、離婚しました。今は精神的に凄く楽だし、気を使わず娘と気ままに暮らしてます。
子供が自立する前に離婚をし、養育権が妻に渡った場合は、経済的に厳しい生活になるケースが多いです。
しかし、精神的な余裕を手に入れたことで「それも乗り越えられる」という前向きな女性の声があることは、離婚を悩んでいる女性の力になると思います。
離婚を後悔する理由
もちろん、熟年離婚を後悔している女性も多くいます。
特に目についたのは、別れてから夫の良さに気付いたという後悔、想定以上にお金が足りないための生活苦や子どもへの申し訳なさに悩む声でした。
■熟年離婚で後悔した女性の声
・元夫の大きさ、本当の優しさ、男らしさを改めて痛感しておりますが、そんな滅多に出会えない人を小さく、愚かな考えで失ったのか悔やまれてなりません。
・別居が長かったので、財産分与年金は3割要求しました。すんなり受け入れてくれました。でも、後悔しています。生活して行くには少し足りないのです。
・結婚前からの通帳すべて裁判所に提出させられ、むしろ本来、私が取るべき財産まで折半対象にさせられ揉めに揉めました。そうならないためにも隠し金は絶対に必要です。
・私さえ我慢したら、この子たちは両親揃った子でいられたのに。子どもから父親を奪ってしまった罪悪感は消えません。
・界隈で熟年離婚や計画離婚する最低な女だというレッテルが貼られていると言う噂を耳にして愕然としています。
離婚してから夫の良さに気付いた、子供に申し訳ない、という精神的な悩みを抱え続けている人も少なくありません。
経済的な問題は対処の仕様がありますが、精神的な問題は自分で乗り越えるしかないので、かえって辛いかもしれません。
熟年離婚が増えてきているとは言え、決断するまでには熟考することが大事です。
ちなみに、お金の問題は女性の就労状況や離婚時にお金を受け取れるか、または元夫からどれくらいの額をもらえるかによって、大きく異なってきます。
離婚後に必要なお金・用意できるお金を要確認
熟年離婚をする際、特に女性が直面する問題が生活費などのお金の問題です。
お金の準備や計画なしに熟年結婚をするのは、リスクが高いです。
ミドル世代から新たな仕事を探すのは思った以上に大変で、給料が少ない非正規雇用にしか就けないという女性は多いです。
特別なスキルや経験がない限り、熟年離婚してからの就職や転職は難しいと思っておいたほうが良いです。
貧困に陥ってから後悔するのではなく、自分に十分なお金があるかどうかと、夫からもらえるお金があるかを確認することをおすすめします。
妻が用意できるお金は十分か
離婚後に必要なお金の読みが甘いまま離婚すると、男性より女性の方が貧しくなるリスクが高いです。
たとえば結婚を機に仕事を辞めて専業主婦やパート働きをしていた人は、熟年離婚をしたあとに自分だけで稼いでいくのは大変です。
一度でも正社員の仕事から離れると、再び同じ水準の正社員へ戻ることはとても難しいです。
専門のスキルを持っていない限り、シニア労働者を一から雇うのは企業にとっても労力がかかるからです。
離婚時に夫からお金を受け取れることになっていたとしても、自分の稼ぎや貯金がないとお金は底をついてしまうことが多いです。
そして貯金については、結婚した後に貯金したお金は夫婦で築いた財産とみなされると財産分与(夫と分割する)ことになる可能性もあります。
離婚時に夫から受け取ることができるお金はあるか
離婚時に夫からもらえる可能性がある代表的なお金は、おもに6種類あります。
※具体的な額は家庭事情によっても異なるので、実際にどれだけお金が受け取れるかを知りたい場合は弁護士に相談するのが確実です。
- 慰謝料
- 夫の不倫が原因で離婚する場合は、平均的なサラリーマンで200~400万円ほどもらえるケースが多いです。
- 財産分与
- 夫婦が結婚生活で築いた財産を分配することです。2分の1(半々)ずつをベースに、貢献度によって分配比率が変わることがあります。
- 退職金
- 退職金を受け取っている、または受け取ることが確実な場合は、財産分与の対象となります。どの程度もらえるかは家庭内事情によります。
- 年金分割(※厚生年金・共済年金のみ)
- 相手が自分より年金を多く受け取っていた場合は、年金分割制度を利用すると納付実績の一部を最大2分の1まで分割してもらえます。
- 住宅ローン
- たとえばローンで購入した家を売却して利益が生じた場合は、財産分与の対象になります。具体的な分割については、住宅の債務者の名義によっても異なります。
- 養育費
- 子供の親権を得た場合は、親権を持たない親から養育費の支払いを請求できます。支払額は相手の収入や子供の人数によって異なりますが、毎月4~6万円ほどが多いです。
ちなみに、総務省の家計調査報告(2022年7~9月期平均)によると、単身世帯の1ヶ月消費支出は約15万円です。
どんなに切り詰めたとしても、毎月10~15万円は生活費を確保できないと、衣食住がままならなくなる危険性があります。
ちなみに一例ですが、女性が50歳で離婚した場合、平均寿命の87歳までに必要なお金は下記のように概算できます。
■50歳で離婚し、87歳まで必要な生活費(1人分の概算)
毎月15万円 × 12ヶ月 × 37年 = 6,660万円
これにくわえて、子どもと同居の場合はもっと多くのお金が必要になります。
どうしても立ち行かない場合は、最終手段として生活保護という手もありますが、生活保護を受けられる条件は非常に厳しいです。
実際に、生活保護を受ける水準にぎりぎり達していない低収入世帯が多いことは、社会問題になりつつあります。
世帯収入が10万円前後なら生活保護もあり
どうしても生活が苦しい場合は、地域の福祉事務所で生活保護の申請ができます。
生活保護を受けると、公共料金や税金の支払いが免除になるので、金銭的には大きな援助となります。
しかし、その際は下記条件を満たしていることが必要になります。
■生活保護を受けられる条件
- 世帯収入が生活保護基準額より少ない
- 預貯金がない
- 換金できる資産(車、持ち家、土地、生命保険など)を持っていない
- 三親等までの親族(兄弟や子ども)から援助を受けるのが難しい
生活保護基準額は住んでいる地域や事情によって異なりますが、10万円ちょっとのケースが多いです。
しかし、働いている場合は生活保護基準額から収入を差し引いた額しかもらえません。
年金も収入扱いになるので、年金を受け取りながら生活保護を受ける場合も注意が必要です。
そして、生活保護を受けると下記のようなデメリットも発生するので、身内や子どもなどの援助を受けられないかも検討することをおすすめします。
■生活保護を受けるデメリット
- 持ち家や車はすべて売却しなければならない(例外あり)
- 借金ができない
- ローンが組めない
- 仕事はできるが貯金はできない
- 家賃の上限額が決まっており、その額内の賃貸にしか住めない
- 積立タイプの生命保険(貯蓄型保険)に加入できない
- 指定医療機関でしか診療を受けられない
特に、住まいの制限や自分で受診する病院を選べないという不自由さは、知識がないまま生活保護を受けると不便に感じるかもしれません。
離婚は双方合意できないと長引く
離婚は双方が合意できないと、長引いて裁判にまで至ってしまう可能性があります。
離婚をする方法は大きく分けて協議・調停・裁判があります。
■離婚をする方法
- 協議
- 夫婦間で離婚について話し合い、合意すること
- 調停
- 夫婦双方の離婚合意ができなかった場合、家庭裁判所に申し立てると調停委員が仲介して調整を行い、離婚すること
- 裁判
- 調停による離婚ができなかった場合、裁判によって離婚を行って離婚すること
協議でだめなら調停、調停でもだめなら裁判…という流れで進み、裁判になると離婚成立まで約1年はかかります。
しかも、裁判の結果に相手が納得しなければ控訴・上告もできるので、さらに長引く可能性があります。
なるべく協議離婚をした方が、時間とお金がかからずスムーズです。
熟年離婚で後悔しないために
このように、熟年離婚をするにあたって経済的な準備がしっかりできていないと、離婚をするのも、離婚したあとも大変です。
金銭的な理由の後悔はもちろんですが、「別れてから夫の良さに気付いた」という精神的な後悔を抱える女性の声は悲痛なものがありました。
今は再婚者向けの結婚相談所などもあり再婚がしやすい時代にはなっていますが、本当に離婚をすべきか十分に自分に問いかけることをおすすめします。
次は、アラフィフ・アラカン(50~60代)の結婚に関するコラムです。
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