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バブル期以降に広まったDINKs(ディンクス)という夫婦の形が、最近になって増えてきています。
DINKsとは、Double Income, No Kidsの略で、共働きで子どもを作らない夫婦のことです。
DINKsは1980年代頃からアメリカから日本にも広まった言葉ですが、最近になってDINKsの形を選ぶ夫婦が増えてきています。
これは晩婚化の影響もあり、高齢出産は難しいけれど結婚をするシニアカップルが増えていることも理由です。
筆者は、60歳を超えて結婚をした桃井かおりさんや夏木マリさんがとても幸せそうにパートナーについて語っていたことが印象的でした。
身近でも結婚する知人が増えてきていますが(筆者はアラサーなので、いわゆる結婚適齢期の知人が多いです)、「子どもは作る気ないよ~」と話す人が何人かいます。
今回は、今さら聞けないDINKsについて、なぜ増えてきているかも含めてまとめてみました。
目次
DINKsの定義-子どもを意図的に作らない夫婦
DINKsの「子どもを作らない」というのは、夫婦の意思で子どもを作らないことを指します。
結婚したばかりで子どもがいない場合や、子どもを作ろうとしている夫婦は含みません。将来的にも子どもは作らず、夫婦ふたりで生きていくという前提です。
日本の晩婚化によってアラフォー以上で結婚をする人も増えてきており、子どもは作らないと割り切って二人の幸せを重視する夫婦も増えてきています。この場合もDINKsに当てはまります。
共働きなので、女性が長く働いてきたことでキャリアを築いている場合も多いです。
最近では都市部を中心に、DINKs向けマンションも増えてきています。通勤しやすい駅近のアクセスで、1~2LDKくらいの広さの部屋が人気です。
夫婦二人で暮らすのでファミリー向けマンションではなくても良い、というニーズに合う部屋です。
経済的な理由・年齢的な理由でDINKsを選ぶ人が多い
2021年実施の出生動向基本調査(PDFデータ)によると、夫婦が子どもを持たない理由の半数以上は欲しいけれどもできないがもっとも多かったです。
健康上の理由があるなど、子どもが欲しくてもできずに悩む人が日本ではまだ多数のようです。
しかし、身体的な理由の次に多いのは経済的理由と高齢です。
経済的な理由のなかでも育児にお金がかかるという理由がもっとも多く、DINKsの多くは経済的な理由で子どもを作らない選択をしている可能性があります。
このお金の問題は、子どもを持つ夫婦の意識にも大きく影響しています。
たとえば、子どもが3人以上ほしいと考える夫婦のうち、それが実現できていない人の多くはお金がかかりすぎることを理由に諦めている状況です。
また、働き盛りの30代の意見では、仕事に差し支える、心身の負担を増やしたくないという意見も多いです。
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理想の子どもの数を持たない理由
前述の出生動向基本調査では、夫婦が理想の人数の子どもを持たない理由を、実際の子供の人数ごとに調べています。
具体的な人数や割合は下記のとおりです(複数回答が可能なので、合計のパーセンテージは100%を超えます)。
■子どもが0人の夫婦
- 欲しいけどできない 61.5%
- 高齢出産がしたくない 23.1%
- 健康上の理由から 12.8%
- 養育費が高いから 17.9%
- 仕事に差し支えるから 12.8%
欲しいけどできないという理由以外、つまりDINKsのなかで多い理由は高齢出産をしたくないでした。晩婚化の影響と考えられます。
その証拠に、子どもがすでにいる夫婦に比べると養育費の高いことを理由にしている割合が少ないです。キャリアを積んできて、経済的には安定した夫婦が多いのかもしれません。
■理想の子どもの数が2人以上、実際は1人の夫婦
- 欲しいけどできない 32%
- 高齢出産がしたくない 40.5%
- 健康上の理由から 18.7%
- 養育費が高いから 46.2%
- 仕事に差し支えるから 9.2%
■理想の子どもの数が3人以上、実際は2人の夫婦
- 欲しいけどできない 15.8%
- 高齢出産がしたくない 41.7%
- 健康上の理由から 17.1%
- 養育費が高いから 59.3%
- 仕事に差し支えるから 20.2%
- これ以上、育児への心身の負担を増やせない 23.6%
すでに子どもがいる夫婦は、子どもを増やせない理由に養育費の高さを選ぶ人が多いです。
その次に高齢出産を避けたいという理由が多いので、ここでも晩婚化の影響がありそうです。
ちなみに、少数派ながらも出ていた意見としては、自分や夫婦の時間を大切にしたい、育児に十分な社会環境がない、夫の協力や同意が得られない、などの理由もありました。
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豆知識:子育てにかかるお金と平均年収
子育てには、食費や教育費などを中心にたくさんのお金が必要です。
ベネッセの調べによると、出産から22年間の平均的な養育費は国立大学進学の場合で約2,780万円。
特に、小学校に入学するまでの衣食住に必要な費用はボリュームが大きく、毎年100万円前後の出費が必要になります。
一方、日本の国税庁の調査結果によると、もっとも多い年収は男性400~500万円、女性は100~200万円。つまり、夫婦共働きで500~700万円の夫婦が多い状況です。
仮に夫婦の合計年収が600万円の場合、子どもの養育費に毎年100万円ずつ消費するとなると、年収500万円で夫と妻の日常生活をやりくりすることになります。
1人目の子どもに関しては、貯蓄や学資保険を利用して節約をすれば何とかなりそうですが、人によっては2人目以降は難しいと判断する人もいるかもしれません。
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夫婦二人で幸せになる結婚もあり
Facebookなどで子どもと幸せそうにする友人を見たり、家族から急かされたりして焦る人も少なくないと思います。
しかし、結婚=子どもを作らなければならない、という固定観念は、少しずつですが日本でもゆるやかになってきています。
DINKsのメリットは、経済的に余裕のある生活ができること、自分自身や夫婦の時間を確保できることです。
子どもがいなくても豊かな結婚生活を送りたいという気持ちを持つ人も、前向きに婚活をしてほしいと、筆者は思います。
熟年結婚(シニア婚)を考えているけど、子どもはできないから…と悩んでいる人も、結婚して幸せになりたいと思うなら、是非婚活をしてみてほしいです。
今はシニア向けの婚活プランがある結婚相談所もあるので、新たな出会いもしやすくなっています。
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