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ネットトラブルを防ぎたい人や、マッチングアプリを安心して利用したい人向けに、SNSやネット上で住所特定を防ぐ方法と実際に被害にあった際の対処法を解説します。
近年、住所や本名、出身校などの個人情報をネットで調べ上げられ、嫌がらせを受ける被害が増えています。
TwitterやInstagramを用心して使っていても、小さな情報を集め続けると個人を特定できてしまいます。ネット上にアップロードした写真の瞳や鏡の写り込みが、特定のヒントになることもあります。
ネットストーカーに発展するケースもあり、2017年にはユーチューバーのはじめしゃちょー宅に女性が押しかける事件も起きました。
目次
ネット上で住所特定される理由
SNSなどネット上で個人情報が特定されてしまう原因は、日常生活が見えてしまう投稿をするためです。
ネット上で住所を特定するときは、SNSやブログなどの投稿をすみずみまでチェックします。
そのなかで拾ってきた小さな情報を集めることで、住んでいる都道府県、市区町村、マンション…と特定していきます。
このように、ネット上での情報をかき集めて個人情報を特定することを、モザイクアプローチと呼びます。
たとえば、下記のような情報がモザイクアプローチのヒントとなってしまいます。
■ネット上で住所特定をされやすい情報
- 自分がいる場所がわかる写真
- ・自宅の窓から撮った写真
・マンションの部屋の間取りがわかる写真
・マンホール(マンホールは市によってデザインが異なる)
・電柱(住所が書かれていることがある) - 郵便物などが写り込んだ写真
- ・受け取った宅配便の送付状
・年賀状
・回覧板
・レシートや領収書(店名から生活圏がわかる) - 地名や駅名、電車の路線の情報
- ・「◯◯駅で電車止まっちゃった」「◯◯祭から帰る人で電車激混み」→いつも使う電車が特定可能
・「同窓会いってくる」「成人式の会場って◯◯なんだ、遠いなあ」→出身校が特定可能 - 交友関係と遊ぶエリア
- ・いつも遊ぶ友人の名前や写真
・飲み屋やレストランなどの写真
特に、自宅の窓から景色を撮った写真を投稿している人は、意外と多いです。
私がよく見かけるのは、ツイッターなどで「台風やばい」「雪めっちゃ積もった」などの天候ツイートと一緒に、自宅の窓から撮った写真を投稿している人です。
自宅の窓からの写真には多くの情報があり、近くにどんなお店があるか、マンションの何階くらいか、どちら向きの部屋かなどがわかってしまうので危険です。
また、電車が遅延したときによく見かける「◯◯線が止まった~」「◯◯駅で30分以上電車待ってる」という投稿も、通学・通勤ルート特定のヒントになってしまいます。
頻繁に身の回りの出来事をSNSに投稿する人は、それだけ自分の情報を世界中に発信していると意識する必要があります。
また、アップする写真に気をつけているつもりでも、鏡やガラスに反射して写り込む場合もあります。
最近はスマホカメラの解像度も高くなってきているので、部屋の窓ガラスや近所のお店のショウウィンドウに映った情報も見えてしまうことが多いです。
例:夜に自室で撮った写真に窓ガラスが写っており、そこに写り込んだテーブルにハガキDMが置いてあったなど
住所特定のために情報収集をしている人はそこまで見るので、写真をネットに上げる前には背景にも気を配る必要があります。
Exif情報で画像から位置情報を特定
カメラやスマホで撮った画像には「Exif(エグジフ、イグジフ)情報」という、撮影日時や撮影場所のデータが含まれていることがあります。
ブログなどにアップした画像に位置情報が残っている場合、画像そのものに個人情報が写っていなくても、撮影場所の特定ができてしまいます。
下記のような、Exif情報があるかどうかを簡単に調べられるサイトもあるので、事前に確認することをおすすめします。
例:Exif確認君
画像ファイルを選択、もしくはすでにアップロードした画像URLを入力するだけで、Exif情報があるかを確認可能
一方、ツイッターやインスタグラム、Facebookなど、主要なSNSではアップロード写真のExif情報は自動的に削除されるので安心です。
位置情報をつけた状態で写真を投稿しない限り、撮影場所は見えません。
その旨は、公式サイトでも明記してあります。下記はツイッターの例です。
位置情報サービスがオンになっている場合、ツイートに位置情報をタグ付けすると、画像のExifデータに基づいておすすめの位置情報が表示されます。Twitterでは、画像処理を目的として一時的にのみ、Exifデータを保持します。このため、Twitterで画像を閲覧してもExifデータにはアクセスできません。
(Twitterヘルプセンター「画像やGIF画像付きでツイートする方法」より抜粋)
心配な人は、デジカメやスマホの位置情報サービスをオフにしておくと安心です。
たとえば、iPhoneでは下記の流れで位置情報サービスを設定できます。
■iPhoneから位置情報サービスをオフにする方法
設定
↓
プライバシー
↓
位置情報サービス
↓
位置情報サービスそのものをオフにするか、アプリごとに許可するかを選ぶ
例:Google Mapはオンにしておいて、カメラアプリはオフにする
Androidでは、「ジオタグ(Geotag)」が位置情報サービスにあたります。
カメラアプリ左上の「・・・」アイコンから、カメラオプションで位置情報のオンオフが設定できます。
生活リズムがわかる投稿の危険性
ツイッターなど短文でも投稿しやすいSNSでは、「やっと帰宅~」「やっと休みだ!」のように1日の過ごし方がわかる投稿をする人も多いです。
普段なら特に問題ありませんが、モザイクアプローチで住所が特定された状態で生活リズムがわかってしまうと危険です。
たとえば、学校で部活をしていることがわかっていて、通学路まで特定されていれば、暗くなる時間帯に人気が少ない道で待ちぶせできてしまいます。
仕事が休みになる曜日と自宅住所を特定されていれば、休みの日に自宅に押しかけることもできます。逆に、自宅にいないタイミングを狙うことも可能です。
日常生活がわかる投稿そのものが危険なわけではありませんが、それ以外に住所特定される情報も公開していると、一気にリスクが高まることは知っておくべきです。
住所特定されないための予防法
住所特定をされない大原則は、ネット上に個人情報をむやみに公開しないのが基本です。
しかし、モザイクアプローチのように小さな情報をかき集めて特定できる人もいるので、さらに下記のポイントに気をつけることをおすすめします。
■住所特定の予防法
- 本名や生年月日、出身校、住所を公開しない
- 自分や家族の顔写真をむやみに上げない
- 写真の写り込みに注意
- 私生活が見える投稿は控える
- SNSのアカウントを使い分ける
本名などの直接的な個人情報は、もちろんむやみに公開しないほうが良いです。
顔写真に関しても、自分だけでなく家族や友人の写真を上げるのも注意が必要です。
実際に、子供の写真をアップした人が住所特定される事例もあり、同じ学校出身の友人の写真を上げて「小学校からの幼なじみです」と投稿すれば、自分の出身校も特定されかねません。
そして特に意識する必要があるのは、意図しない写り込みです。
風景や持ち物の写真をアップする際は、自宅や職場などの所在地のヒントになるものが写り込まないように気を配ります。
私自身、マンホールやレシートからも住所特定ができるとは知らなかったので驚きました。
そのような小さなヒントを集めて自宅を特定されている状態で、通勤・通学や休日などのライフサイクルもSNSから把握されると、本格的にストーキングすることも可能になってしまいます。
もしくは、日常生活を投稿する用のSNSと、趣味用のSNSを完全に分けるという対策もひとつです。
たとえば、日常的な話や顔写真の投稿はツイッターの非公開アカウント(いわゆる「鍵垢」)で行い、趣味の話や写真投稿はインスタグラムで行うなど。
ふたつのアカウント名を関連のないものにして、まったく別人のアカウントのようにすれば、趣味用SNSから個人情報を特定するのは非常に難しくなります。
マッチングアプリで危険を減らす方法
一般人が顔写真をネット上に上げることには、リスクがあります。
たとえばモザイクアプローチで情報を集めたあと、実際に本人を見れば「この人だ」とすぐにわかってしまいます。
さらにネット上でアップした写真は他人も保存できてしまうので、自分がSNS上で消してもどこかで出回るリスクもあります。
しかし、マッチングアプリや婚活サイトでは、プロフィール写真を登録しないとなかなかスムーズに活動ができません。
ネット婚活で結婚する人も珍しくなくなってきている今日では、「リアルでは出会いが少ないから、なるべく安全にネット婚活がしたい」と思っている人も多いです。
写真をアップする以上、なりすましなどの悪用リスクは避けられませんが、なるべく個人情報を特定されないための注意点をまとめます。
■ネット恋活・婚活で個人情報を特定されないための対策
- 本名は真剣交際まで教えない
- 住んでいるエリアを教えない
- マッチング後すぐに個人情報を聞いてくる人は無視する
- 不審ユーザーは即通報
マッチングアプリは、なるべく安全に活動できるように匿名で活動するのが基本です。
住んでいるエリアも都道府県までの登録でOKのアプリが多いので、基本的にはそれ以上の情報は簡単に教えないようにします。
もし、マッチングしてすぐに「俺も大阪出身なんですけど、どこ中出身ですか?」「最寄り駅ってどのへんですか?」と聞いてくる人がいたら、警戒する方が無難です。
ネット婚活は、対面ではなくネット上で知り合うという特性上、すぐに個人情報は教え合わないことが暗黙の了解でありマナーです。
そんなマナーを破ってくる異性は相手にしなくて大丈夫です。
もし、アプリ上のメッセージの時点でしつこくつきまとわれた場合は、運営側に通報すれば対処してくれます。
よくあるのは、マッチングしてすぐに「LINE交換」を要求されるケースです。LINE交換については、安全な交換方法を下記にまとめています。
あわせて読みたい:
LINE交換でマッチングアプリ向きのやり方は?断り方・断られた時の対処方法も
ストーカー規制法で犯罪となることも
もし、SNSで「住所特定した」と脅されたり、自宅の近くに来るなどの実害が出た場合、ストーカー規制法で訴えることができます。
今までのストーカー規制法は、対面以外のストーキング行為だと個人同士のメールまでしか裁けませんでした。
しかし、2017年の法改正によって、SNS上でいやがらせを受けた際もストーカー規制法が適用されるようになりました。
そのほかにも、この法律では下記のような行為を受けたときに取り締まりが可能です。
■ストーカー規制法で取締対象になること
- 尾行や待ちぶせ
- 自宅や職場に押しかける
- 自宅まわりをウロウロする
- 監視していると言う、ほのめかす
- 会うことやプレゼントを受け取ることを要求
- 不快な物や画像を送りつける
- 交際を要求される
- 乱暴なことを言う
- 無言電話やしつこい電話
- ラインやメールのいやがらせ
- SNS上でのいやがらせ
くわしいストーカー規制法の内容は、警視庁公式サイトをご参照ください。
ネットストーカーが上記に当てはまるとみなされれば、懲役1年以下、もしくは罰金100万円以下の罰則を課されます。
この罰則は、法改正によって以前より厳しくなりました。
さらに、「もう二度と被害者に接触しない」などの禁止命令が出た場合、その禁止命令を破りストーカー行為をした者は、2年以下の懲役または200万円以下の罰金、禁止命令等に違反しただけでも6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金となっています。
警察と弁護士、どっちに相談するか
ストーカー規制法で実害が出ている場合の相談先は、警察と弁護士などの法律の専門家に分かれます。
まずは警察に相談していいと思いますが、警察が担当するのは刑事事件のみです。
SNSでのいやがらせなどは、侮辱罪や名誉毀損罪に当てはまる可能性が高いので、警察に相談してOKです。
その際は「証拠」が必要になるので、LINEやメール、SNSでやりとりした画面キャプチャを印刷したものを用意しておくとスムーズです。
警察相談専用窓口:#9110
受付時間:平日8:30~17:15(都道府県によって異なる)
まだ犯罪や事件に発展していないが、生活の安全に関するトラブルについて相談できる番号です。ストーカー被害に関してもこの番号で対応しています。
※110番通報は緊急性の高い通報がメインです。自宅に押しかけられているといった急ぎの場合以外は上記番号にかけることをおすすめします。
しかし、刑事事件として証拠不十分だったり、民事事件とみなされる状況だと、警察は動けません。警察には「民事不介入」の原則があるためです。
警察に相談して対応が難しいと言われたら、弁護士に相談することになります。民事事件として扱ってもらえれば、相手からの接近を禁止したり、慰謝料を請求したりできます。
または、弁護士が証拠を集めることで刑事事件として訴えるケースもあるかもしれません。
費用は数十万円かかってしまいますが、実際に大きな被害が出る前に対処した方が安心です。
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